事件は遠い出来事、だと思っていた

今まで生きてきて多くの事件を見聞きしました。

 

それでもどこか、他人事のような感覚で生きてきました。

 

なぜ事件が起きたのか、どうして亡くならなければならないのか。 

 

そういったことは思うけど、すぐに自分の生活に戻っていました。

 

秋葉原事件の時も、東北地震の時も、報道される多くの事件において、

 

同じ日本で起きている、けれどどこか遠くの出来事な気がしていました。

 

事件のことを忘れることはないけれど、

 

だからといって強く意識することもなかった。

 

秋葉原の事件の犯人の名前を私は知らないし、亡くなった人の名前も覚えていない。

 

そういうものだと思っていた。

 

当事者の方からすれば、多くの感情を抱くだろうけど、私は第三者

 

そんな感覚で生きてきた。 

 

今回の京アニの件も私は第三者の立場。

 

だから今回もまた、悲しいけれどすぐに自分の生活に戻れると思っていた。

 

だけど違った。全然違った。

 

いろんな感情がごちゃまぜになってどうしたらいいのかわからない。

 

私は京アニを知っている。

 

京アニが生み出した作品を知っている。

 

そこにいた人たちを知っている。

 

顔も名前も知らないけれど知っているんだ。

 

私はあなたたちが生み出した作品を見てきた。

 

そのあなたたちが事件の被害にあい、亡くなった人がいると知った時、

 

自分はこんな感情を抱くのかと初めて気づいた。

 

誰一人としてこんなところで亡くなっていい人たちじゃないのに。

 

 

ネガティブな情報を見すぎるのは心身ともによくない。

 

だからインターネットから離れた。

 

多くの感情が入り乱れていて、いま自分はどう思っているのか分からない。

 

京アニ頑張って、時間がかかってもいい。

 

あなたたちの作品を待ってる。

 

だけど多くのスタッフが亡くなった今、

 

あの京アニの作品はもう見ることはできない。

 

 

人が変わってもアニメは作れる。

 

でもそこにあなたちはいない。

 

嘘だと言ってほしい。

 

夢なら覚めてほしい。

 

どうして。

 

気持ちの整理がつかないんだ。

 

言葉にすれば落ち着くかなと思ったけれど、もやもやしたままで。

 

 

土日は前から関西旅行に行くことを計画していた。

 

京アニショップに行こうとも考えていた。

 

でも今回のことで、旅行に行くか迷った。

 

ただ家にいるのも色々と考えてしまうから外に出た。

 

気はまぎれたし楽しむことはできたけど、

 

心の隅っこではいつも京アニのことが気がかりで、

 

何回も思い出しては平常心を保っていた。

 

京アニの事件現場に手を合わせに行きたい。

 

そう思ったけれど行く勇気はなかった。

 

何をしていても京アニのことが頭をよぎる。

 

精神が持たない。